文書作成日:2025/11/30
人事労務Q&A 〜今後変わるパート職員の社会保険の加入要件〜

今回は、今後変わるパート職員の社会保険の加入要件に関するご相談です。

Q
今月の相談内容

 当院の職員数は65人であり、週の所定労働時間が20時間以上のパート職員は社会保険に加入しています。
 今後、社会保険の加入要件が変更になると聞きましたが、どのような内容でしょうか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 2025年6月に成立した年金制度改正法では、パート職員等の社会保険の加入要件の一つである、「月額賃金が88,000円以上であること」が撤廃されることになりました。
 そのほかにも、社会保険の適用拡大として、パート職員等が社会保険に加入する事業所規模の要件が、いずれ撤廃されることも決まっています。

A-2
詳細解説
1.パート職員等の社会保険の加入要件

 現在、正職員のほか、週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が正職員の4分の3以上であるパート職員等は、社会保険に加入することになっています。

 また、週の所定労働時間等が正職員の4分の3未満であっても、職員数51人以上の事業所に勤務し、次の4つのすべての要件を満たすパート職員等は、短時間労働者として、社会保険に加入します。

  1. @ 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. A 雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること
  3. B 月額賃金が88,000円以上であること
  4. C 学生ではないこと
2.賃金要件の実質的撤廃

 2025年6月に成立した年金制度改正法により、1.の「B月額賃金が88,000円以上であること」という賃金要件が撤廃されることになりました。

 施行日は確定していませんが、2025年度の地域別最低賃金が発効されることに伴い、すべての都道府県で週20時間以上勤務すれば、月額賃金が88,000円以上となる水準となり、実質的には廃止と同様の状況となります。

3.事業所規模要件の拡大・撤廃

 年金制度改正法では、短時間労働者として社会保険に加入する事業所規模(職員数51人以上)の要件が2027年10月以降、段階的に拡大され、2035年10月には撤廃されることになっています。

 具体的には、職員数について2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上へ拡大され、2035年10月に撤廃となります。なお、この職員数とは、事業所における厚生年金保険の被保険者数をいいます。

 パート職員によっては、社会保険料の負担を避けるために週の労働時間数を減らす、いわゆる「働き控え」を選択する人もいます。
 社会保険の加入対象となるパート職員には、加入による手取り額や保障の変化についても説明し、今後の働き方の希望を確認しておくことが重要となります。

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